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建築資材の価格高騰は続く?ナフサ影響と今後の対策を解説

建築資材の高騰

小島 完

筆者 小島 完

不動産キャリア5年

最近の建築資材の価格高騰は、単なる物価上昇にとどまらず、家づくりやリフォーム計画そのものに影響を与え始めています。
その背景には、原油から精製される石油化学原料であるナフサの動きが大きく関わっています。
塗料や断熱材、シーリング材など、暮らしを支える多くの建築資材はナフサの価格と密接に連動しているためです。
これから建築やリフォームを検討している方にとって、ナフサによる影響を理解しておくことは、予算やスケジュールを守るうえで重要なポイントになります。
本記事では、ナフサの基礎知識から、建築資材への影響、そして計画時に押さえておきたい注意点まで、順を追ってわかりやすく解説していきます。

ナフサとは何か?建築資材との深い関係

ナフサは、原油を加熱して成分ごとに分ける蒸留工程の途中で取り出される軽質の石油製品の一種です。
日本では、このナフサの多くが石油化学工業の原料として用いられ、エチレンやプロピレンなどの基礎化学品へと加工されています。
さらに、これらの基礎化学品から合成樹脂や合成ゴム、塗料原料などがつくられ、建築分野を含む幅広い産業で利用されています。
つまり、ナフサは建築資材の材料となる石油化学製品の出発点として、極めて重要な役割を担っているのです。

建築やリフォームで使われる多くの資材は、ナフサを起点とする石油化学製品から作られています。
例えば、外壁や屋内仕上げに使用される塗料、塗装時に用いるシンナーなどの溶剤は、ナフサから生まれた基礎化学品を原料としています。
さらに、建物の断熱性能を高めるための断熱材や、すき間を埋めて雨水や空気の侵入を防ぐシーリング材にも、合成樹脂や合成ゴムなどナフサ由来の成分が多く含まれています。
このように、ナフサは目に見えにくい部分で、建物の性能や快適性を支える資材づくりに深く関わっています。

ナフサ価格が上昇すると、その影響は時間差を伴いながら各種建築資材の価格にも波及しやすくなります。
石油化学工業は、原油から得られたナフサを主原料として合成樹脂や塗料原料などを供給しているため、ナフサ価格の変動は資材メーカーの製造コストに直結します。
その結果、塗料や断熱材、シーリング材などの仕入価格が上がると、最終的には新築やリフォーム工事の見積額にも反映されやすくなります。
建築やリフォームを検討している方にとって、ナフサ価格の動きに関心を持つことは、将来の工事費用を考えるうえで大切な視点といえます。

区分 ナフサの役割 建築への関わり
原油精製段階 蒸留で得られる軽質油分 石油化学原料として供給
石油化学段階 エチレン等基礎化学品の出発点 合成樹脂や合成ゴムの源
建築資材段階 塗料や断熱材などの素材 建物性能と仕上がりを支える要素

建築資材の価格高騰とナフサショックの現状

現在の建築資材価格高騰の背景には、中東情勢の悪化に伴う原油供給不安と、それに連動したナフサの供給制約があります。
特に、ホルムズ海峡周辺の緊迫化により、原油やナフサの調達コストが上昇し、石油化学製品全般の価格が押し上げられている状況です。
国土交通省も、ナフサ由来建設資材の安定供給に懸念が生じていることを踏まえ、直轄工事の対応方針を公表しており、問題が一時的なものにとどまらない可能性が示されています。
このように、国際情勢の変化が建築現場の資材コストに直接影響する局面となっている点が、今回の特徴です。

ナフサ価格の高騰は、石油由来の建築資材価格にすでに具体的な形で表れています。
建設物価調査会や各種団体の調査では、塗料やシンナー、配管に用いられる塩化ビニル管、電設資材、アスファルト舗装材などで、仕入れ価格の上昇や一部品目の供給不安が確認されています。
また、全国建設業協会の緊急調査では、接着剤やシーリング材、アスファルトなど、ナフサ由来の資材を中心に価格上昇と納期の不安定化が続いているとの回答が多く寄せられています。
このため、建築・土木を問わず、広い分野でコスト増加と資材調達リスクが同時進行しているのが実情です。

こうした資材高騰と供給不安は、住宅建築やリフォーム工事の費用やスケジュールにも一般的な影響を及ぼし始めています。
複数の調査では、建築資材や住宅設備の仕入れ価格が20%以上上昇したと回答する事業者が多く、さらに納期についても1か月以上の長期化が生じているとの結果が示されています。
そのため、見積額が想定より高くなるだけでなく、工期延長や着工時期の調整を余儀なくされる事例が増えつつあります。
今後も中東情勢次第では、追加の価格改定や納期変更が生じる可能性があるため、住宅・リフォーム計画には一定の余裕を見込むことが重要です。

影響を受ける主な資材分野 想定される建築現場への影響 建築・リフォーム検討者が意識したい点
塗料・シンナー・接着剤 仕上げ工事費の上昇 内外装仕上げ仕様の再確認
配管・電設関連資材 設備工事費と納期の不安定化 設備仕様と工程の余裕確保
アスファルト等石油系資材 外構・舗装工事のコスト増 工事範囲と予算の優先順位整理

建築・リフォーム計画への影響と注意ポイント

現在の建設資材価格の高騰は、見積額や総予算に予想以上の上振れを生じさせやすい状況です。
国土交通省の調査でも、ナフサを原料とする資材の価格上昇や供給の偏りが工事代金への影響要因として挙げられています。このため、当初計画よりも工事費が増え、自己資金の追加や住宅ローン借入額の見直しが必要となるケースが増えやすくなっています。
見積書の有効期限や単価の据え置き期間を意識しながら、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。

また、資材の供給不足や納期遅延が、工期や引き渡し時期に影響しているという指摘も多くなっています。
国会審議や建設業団体の調査では、ナフサ由来の建設資材の供給遅延により、工事の中止や遅延が避けられない事例が報告されています。その結果として、入居予定や引っ越し日程、仮住まいの期間が延び、生活設計に負担がかかるおそれがあります。
このような状況を踏まえ、余裕を持ったスケジュールを組み、万一の遅延時の対応について事前に確認しておくことが大切です。

契約前には、価格や工期に関する取り扱いを細かく確認しておくことが重要です。
全国建設業協会や建設物価調査会などの調査では、急激な資材価格の変動を受け、設計変更や単品スライド条項などにより実勢価格を反映させる動きが強まっていることが示されています。そのため、契約書や見積書の中で、資材価格が一定以上変動した場合の見直し条件、工期変更時の費用負担や延長の扱い、代替資材への変更手続きなどを事前に確認しておくと安心です。
こうした点を丁寧に確認することで、不測の事態が生じた際のトラブルを減らしやすくなります。

確認項目 主な内容 注意したい点
見積額と予算 有効期限や単価条件 値上がり時の追加負担
工期と引き渡し 資材遅延時の取扱い 入居時期変更の可能性
契約条件 価格見直しや変更条項 追加費用と負担範囲

ナフサ影響下でも賢く建築・リフォームを進めるコツ

現在は中東情勢の変化により、ナフサを原料とする建設資材の価格上昇と供給不安が続いています。
国土交通省や建設物価調査会の資料でも、塗料や樹脂系資材、断熱材、防水材などの価格が強含みで推移しているとされ、当面は急激な値下がりを見込みにくい状況です。
そのため、建築やリフォームを検討する方は、従来よりも余裕を持った予算と期間を前提に計画を立てることが大切です。
無理に工期を早めようとすると、割高な資材調達や仕様変更を受け入れざるを得ない場合もあるため注意が必要です。

予算を組む際は、本体工事費だけでなく、資材価格の変動分を見込んだ予備費を確保しておくことをおすすめします。
建設物価調査会の調査では、ナフサ由来の塗料や樹脂系資材で数十%規模の値上がりや、今後も強含みが見込まれる資材があると整理されています。
そのため、総予算の数%程度を「価格変動対応枠」として別立てしておくと、見積もりの増減にも柔軟に対応しやすくなります。
また、着工時期をある程度幅を持って設定し、資材手配の見通しが立ってから日程を確定する流れにしておくと、納期遅延の影響を和らげやすくなります。

一方で、全ての資材を先送りにするのではなく、価格上昇が続きやすい石油系資材と、比較的影響が限定的な資材を分けて考えることも重要です。
調査結果では、ナフサ不足の影響が大きいのは塗料・接着剤、断熱材、防水材、樹脂系配管材などであり、資材によって価格動向や納期の長さに差が出ているとされています。
そこで、設計段階で代替しやすい部位については、木質系や無機系など石油依存度の低い仕様も候補に入れて比較検討するとよいでしょう。
また、仕上げ材のグレードを柔軟に見直すことで、全体の品質を大きく落とさずにコスト上昇分を吸収できる場合もあります。

検討したいポイント 概要 確認の観点
予算と予備費の設定 総額の数%を変動枠 見積増減時の対応余地
スケジュールの余裕 着工時期に幅を確保 納期遅延時の影響軽減
代替資材の検討 石油依存度の低い仕様 性能とコストの比較
価格動向の情報収集 公的調査の定期確認 契約時期と条件の判断

建設物価調査会や業界団体の調査では、資材価格の高止まりと納期長期化が続いており、多くの事業者が「緩和の兆しは見えにくい」と回答しています。
しかし、定期的に公的機関の発表や資材価格の動向を確認し、過度に不安にならず、状況を踏まえて判断していく姿勢が何より重要です。
不透明な時期だからこそ、契約内容や変更条件、工期の取り扱いなどを事前に丁寧に確認し、疑問点は早めに相談しながら進めることで、結果として納得度の高い建築やリフォームにつながりやすくなります。
落ち着いて情報を整理し、自分たちの優先順位を明確にしながら、一つ一つの選択を積み重ねていくことが大切です。

まとめ

ナフサ価格の高騰は、塗料や断熱材など多くの建築資材に影響し、建築費用やリフォーム予算にも直結します。
見積額や総予算、ローン計画はもちろん、資材不足による工期遅延の可能性も踏まえた事前確認が重要です。
当社では、最新の資材価格動向を踏まえた見積りと、代替案のご提案で、無理のない計画づくりをお手伝いしています。
建築やリフォームのタイミングや費用に不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。

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